今回は青色申告について、白色申告との違いにも触れながら、そのメリットについて書いていこうと思います。
確定申告をされる方は、ぜひ参考にしてみてください。
主に、個人事業主に向けた所得税のに関する内容です。

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青色申告の得点

白色申告との違い

白色申告の場合は事前の届け出が不要で、簡易的な帳簿で確定申告を行うことができます。しかし、以下のような控除が受けれません。

青色申告の特別控除

以下の要件を満たしていれば最大65万円(電子帳簿保存または、電子申告なしの場合は55万円)を控除できます。

要件:正規の簿記(複式簿記)での記帳、貸借対照表・損益計算書の作成、期限内申告

これらの控除要件を満たしていない場合は、控除額は10万円となります。

青色事業専従者給与

生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。

白色申告の場合、白色事業専従者控除が受けられます。控除額は次のいずれか低い金額です。

  • 事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
  • この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額

なお、青色事業専従者または白色事業専従者として給与の支払を受ける方は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
どちらも確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載する必要があります。

貸倒引当金

個人事業主(事業所得者)で青色申告の方は、売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、帳簿価額の合計額の5.5パーセント以下の金額を貸倒引当金とし、必要経費として認められます。
金融業の場合は 3.3パーセントになります。

貸倒引当金の計算方法は個別評価や一括評価という専門的な方法で妥当な額を算出します。使えるかなと思った方はぜひ税理士にご相談ください。
また別の記事で詳しく書こうと思います。

純損失の繰越と繰戻

事業が赤字の場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。なお、令和5年4月1日以降に特定非常災害の指定を受けた災害より生じた損失の場合には、繰越控除期間が3年間から5年間へと延長されます。

前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年の所得税が還付となることもあります。

少額減価償却資産の特例

本来、10万円以上の固定資産等の購入は、減価償却対象になりますが、中小企業者等(措置法上の中小企業者等※)が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、合計300万円までを限度に、即時償却(全額経費算入)することが可能です。
※個人事業主:常時使用する従業員の数が千人以下の個人とする。

青色申告の要件

  • 正式な簿記(複式簿記)
  • 確定申告時、貸借対照表と損益計算書の提出(10万円控除の場合、損益計算書のみでもOK)
  • 届出の提出(その年の前日、もしくは開業から2か月以内)

手続き

(1)原則
新たに青色申告の申請をする方は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。

(2)新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)
業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。

(3)廃業等により青色申告を取りやめる場合
事業の廃止などにより青色申告書による所得税の申告を取りやめる場合は、取りやめようとする年の翌年3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。

申請書等のリンク

(注)国税庁ホームページのリンクになります。

まとめ

青色申告は事前の申請が必要で複式簿記による記帳が求められるため要件は高めですが多くの税制優遇を受けることができます。
白色申告は手軽ではじめやすいですが、節税のメリットが少ないです。

それぞれのメリットとデメリットを踏まえたうえで、状況や事業計画に合わせた申告方法を選択をしてみてください。

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