前回、副業の確定申告は、いくらから必要かについて書きましたが、そこでも軽く触れた「所得」。所得税法でいうところの所得は10種類あり、さすがに全部まとめると5分では、読めないと思うので今年話題になった「副業の収入300万円以下は雑所得」のお話に絡めて、「雑所得」に絞って書いていきます。

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10種類の所得

所得税法上の所得は以下の10種類になります。

  • 給与所得
  • 退職所得
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 事業所得
  • 雑所得

雑所得

雑所得は、ほかの9つの所得に当てはまらないもののすべてになります。
所得税法上、この雑所得がある限り収入を得れば10の所得のうちどれかに当てはまるようになっています。
雑所得は、三つに分類されます。

  • 公的年金等に係る雑所得
  • 業務に係る雑所得
  • 上記以外、その他の雑所得

雑所得の必要経費

雑所得の求め方は大きく二つ、公的年金等に係る雑所得とそれ以外(業務に係る所得、その他の雑所得)があります。

公的年金等の場合
収入額 - 控除額 = 公的年金等の雑所得
となります。

業務に係る雑所得とその他の雑所得の場合
総収入金額 - 必要経費 = 雑所得
となります。

必要経費は、収入を得るために使ったものに限られます。
当然、物販などをした際の材料費は全額経費とできますが、雑所得となる場合、携帯代やインターネット代の通信費、自宅の家賃などは、専用に用意したものでなくプライベートと共用としていることがほとんだと思います。
そうなると全額経費とは認められず、収入を得るために使った割合を合理的に割り出す必要があります。これを家事按分といいます。

パブリックコメント

パブリックコメントとは、行政機関が政令や条例を定める際に広く、一般に対し意見を求めることを言います。
改正や制定前に素案を公開し意見を出してもらおうということです。

300万円以下の収入は、雑所得になるのか?

令和4年8月に国税庁がパブリックコメントにかけた「所得税法基本通達の改正案に関する意見公募」の一部に「副収入が300万円を超えない場合、特に反証のない限り業務の雑所得として差し支えない」の一文があり話題になっていましたね。

その後7000通を超えるパブリックコメントが寄せられ、10月に下記のように修正された「所得税基本通達の制定について」が公表されました。

「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)

国税庁公表の「雑所得の範囲の扱いに関する所得税基本通達の解説」を一部加工して掲載しています。

「副収入が300万円を超えない場合、特に反証のない限り業務の雑所得として差し支えない」という表現はなくなり、「事業所得」に対して帳簿の保存義務を付け加えるにとどまっています。

副業が「事業所得」と認められる場合で、いわゆる赤字状態だと本業の収入からも赤字が補填され全体の所得が下がります。

しかし、「雑所得」となる場合での赤字は、本業の収入から補填されずに雑所得はゼロとみなされ本業の所得が下がることはありません。
それゆえにかなり話題に上がりましたが、収入が300万円以下だからと言って雑所得になるということはなくなったようです。

終わり

今回は、所得の10種類のうち「雑所得」につい書いてみましたがいかがでしたか?

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