今回は、毎年1月のこの時期になると作成し提出する法定調書というものをご紹介したいと思います。
法定調書は、所得税法や相続税法上などで、提出することが定められている資料のことです。
税務署への提出が義務づけられています。
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法定調書とは?
簡単に言うとお金を支払った事実をまとめた資料です。
給料を支払った額や家賃として支払った額、税理士・弁護士などに支払った報酬額などを資料にして税務署へ提出します。
税務署は、法定調書によって、「支払った事実」を確認し、確定申告による「受けとった事実」の申告と照らし合わせることになります。
脱税防止の仕組み
例えば、A社がBさんに100万円の報酬を支払い、法定調書を提出したとします。
しかしBさんは確定申告をしなかったまたは、50万円しか申告しなかった場合、税務署はこの法定調書と確定申告のズレを確認するため問合せの文書を送ったりあるいは、税務調査をして確認することになります。
こうして脱税を防ぐ仕組みとして、法定調書か義務付けられているわけです。
法定調書の種類
法定調書には、60種類あります。さすがに全部は、紹介しきれないので主な法定調書についてのみ紹介していこうと思います。
- 給与所得の源泉徴収票
給与の場合:500万円、役員報酬の場合:150万円、弁護士・税理士・司法書士等の場合:250万円、年間にそれぞれの金額を超えて支払われた給与がある場合に提出します。 - 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
退職金を支払った人数、支払った額、徴収した源泉所得税の額を記載します。法人の役員に対して支払った場合は源泉徴収票も提出する必要があります。 - 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
弁護士・税理士など士業の方へ払った報酬や個人へ支払った原稿料など、支払った報酬等について、5万円を超える支払があったものについて記載します。
支払先の個人・法人の区分、住所も記載しなければいけないので事前に確認が必要です。 - 不動産の使用料等の支払調書
家賃・事務所賃料や駐車場などの賃借料などや更新料で、一年間の支払が15万円を超える場合に提出します。
こちらも支払先の住所やマイナンバーなどの記載がありますので事前に確認が必要です。 - 不動産等の譲受の対価の支払調書
不動産、船舶、航空機のような不動産等の譲受の対価(購入額)として100万円以上の支払があった場合に作成します。
不動産の場合、面積や各種の損失補償金の合計額を記載します。 - 不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書
いわゆる不動産の仲介手数料などで一年間で15万円を超える支払がある場合作成します。
法定調書合計表
法定調書合計表は、上記の6種類をまとめたものになります。
それぞれの合計金額や合計人数、徴収した源泉所得税の総額等を記載します。
法定調書の表紙のような役割を持っています。
提出期限
法定調書の提出期限は、種類によって変わりますが上記6種類はすべて1月31日になります。
この期限に遅れてしまっても追加徴税の対象にはなりません。
しかし所得税法による罰則により懲役1年以下または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
注意事項
2016年より法定調書に支払先のマイナンバーの記載が必須になっています。
マイナンバーの取り扱いは個人情報にあたるため慎重に行う必要があります
また平成30年度の税制改正により令和3年1月以降に提出する給与支払報告書について、前々年に税務署に提出した源泉徴収票が100枚以上である場合には、光ディスク(CD、DVD)による提出またはeLTAXによる提出が義務付けられています。
終わり
いかがでしょうか、法定調書と言われると聞きなれないかもしれませんが、企業、事業主としてはやらなければいけない義務になります。
個人事業主の方は、12月の年末調整から3月の確定申告、決算まであわただしくなりますが間違いのない申告、提出のため頑張りましょう!
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